製造禁止の泡消火剤、「PFOS(ピーフォス)」とは?
事件・事故の類ではないのですが、前回の投稿に続き、駐車場の消火設備に関しての気になる記事がありました。
製造禁止の泡消火剤、駐車場や空港に 有害物質を含有、廃棄進まず(朝日新聞デジタル) - Yahoo!ニュース
今回のお話は、先日投稿した二酸化炭素消火設備…いわゆるガス消火設備と異なり、泡消化設備ですね。
「PFOS(ピーフォス)」という名前は、恥ずかしながらこれまで耳にしたことがありませんでした。
水槽の水と泡消火薬剤の原液を混ぜ、発生させた泡により燃焼面を覆い空気の供給を断つと共に、冷却効果で消火を行うものです。
油火災に絶大な消火効果があるので、駐車場をはじめ、ヘリポートやガソリンスタンド、危険物貯蔵庫などの消火に利用できます。
デメリットとして、後始末の問題、電気火災だと泡に電気が伝わり感電する危険性があること……でしょうか?
今回の記事を読み進めてみると、発癌性が疑われる物質で、且つ自然環境中で分解されにくいのが問題みたいですね。
電験三種を受けた方なら伝わると思いますが、変圧器や安定器に使用されていた「ポリ塩化ビフェニル」の話に何となく似てる気がします。
以下は、消防設備点検等でお世話になっている、能美防災のホームページより抜粋したものになります。
- PFOSとは
化審法改正などにより規制対象となった化学物質は、「ペルフルオロ(オクタン−1−スルホン酸)(略称 PFOS、ピーフォス)又はその塩」であり、一部の泡消火薬剤や消火器用消火薬剤のほか、産業界でも広く使用されている有機フッ素化合物です。化審法の改正により、PFOS が第 1 種特定化学物質(注4)に指定され、PFOS を含む一部の泡消火薬剤等の製造、使用等が規制されました。
- 規制理由
PFOS は化学的に非常に安定しており、自然環境中で分解されにくいため、野生動物や環境中に広く存在していることから、残留性有機汚染物質(環境中での残留性、生物蓄積性、生物への毒性が高く、長距離移動性が懸念される物質)として国際的に規制されたものです。
- 毒性について
PFOS の毒性については、「化学物質の環境リスク評価 第6巻」(H20 年 5 月、環境省)により知見が示されています。その中で、PFOS のヒトへの影響については、ガン以外の死因では顕著な影響は確認されておらず、ヒトに対する発ガン性についても、発ガンのメカニズムを考えた場合、PFOS と発ガンの関連性については疑問視されているようです。詳細は下記の環境省ホームページをご確認ください。
<環境省ホームページ・化学物質の環境リスク評価 第6巻>
http://www.env.go.jp/chemi/report/h19-03/index.html(ぺルフルオロオクタンスルホン酸及びその塩)
転職前の物件はかなり古い設備だったので、もしかしたらPFOSを含む泡消火設備もあったかも知れません。今となっては知る由もありませんが……
ビルメンの知識として頭に入れて置きたい内容でした。